人材不足に悩まされる介護業界について一緒に考えてみましょう。

求人欄にないことは利用者の声も参考に

介護事業を管轄する厚生労働省の発表では、団塊の世代が75歳以上になる2025年には、介護を必要とする要介護者は確実に増え、38万人の介護スタッフが不足するとされています。

要介護者が必要なサービスを自由に選択できる介護保険制度が施行された2000年以降、介護スタッフの数は年々増加していますが、介護現場では人材不足が解消されていません。介護職の定着率は他の業種(平均12年程)よりも低くなっているのです。

介護スタッフが不足している理由に、少子高齢化・労働に見合わない低賃金・職場での人間関係などが挙げられます。景気回復や少子化で高学歴な子供が増えれば、高給を得られる他の産業に流れてしまうのは必然なことのように感じます。

2025年に向けて政府は、離職した介護スタッフを呼び戻す再就職支援・介護職を目指す学生を増やすために学費の支援・子育てをしながらでも続けられるよう代替スタッフの支援などを実施しており、徐々にではありますが介護職が働きやすい環境になりつつあります。

どうせ働くなら忙しくない介護施設と考えるのは人の性、しかし求人票から人手不足の介護施設を見抜くのは困難です。そのため、施設で働いている人や施設利用者から情報を集めると良いでしょう。また、常に求人を行っている介護施設は慢性的な人手不足が続くため入社しても大変な思いをする可能性があります。

介護スタッフの頑張りで給与を改善することは難しいかもしれませんが、収益を忘年会等で還元することはできるでしょう。また、介護業界はシフト制であることが多く、子供の体調に合わせて比較的容易にシフトを変更することができる施設もあるため、子育てをしながらでも続けられるなどの魅力が介護業界にはあります。